事務系専門職について説明します
基本年収:400万円〜1,000万円以上
このページでは事務系の専門職について説明します。
事務系専門職には大きく分けて2つのパターンがあります。
@ 企業の中の専門部署で働く
(例、弁護士の資格を取った後、大企業の法務部で従事)
A 専門的な会社や事務所で専門家として働く
(会計士や税理士の資格を取って、会計事務所等で働く)
もちろん独立するという選択肢もありますが、全く就職経験なしで
独立するというのは難しいでしょう。
独立するにしても、まずは専門的な企業で最低数年は
経験を積むことをおススメします。
どちらにしても、事務系専門職には以下のような選択肢があります。
職種 |
内容 |
---|---|
ファイナンシャルプランナー(FP) |
FPは、ライフスタイルや価値観、経済環境を踏まえながら、収支・支出・負債・保険・家族構成・資産状況など顧客に関するあらゆるデータを集めて、現状を分析し、顧客のライフプラン上の目標を達成するため、データを基に住居・教育・老後など将来の資金計画やアドバイスを行うファイナンシャル・プランニングの専門家です。
企業の中では、銀行や証券会社のような金融業や保険関係や宅地建物、不動産鑑定というような職務にも役立つ資格と言われています。
ダブルライセンスでさらに、就職に有利になることもあります。
|
税理士 |
税理士は言葉のとおり税務のエキスパートです。業務の内容には、以下のようなことが含まれます。
税務書類の作成:確定申告、申請書・請求書・不服申立て・相続税・贈与税の申告、その他税務署などに提出する書類の作成します。
税務代理:税務署などへの税金の申告及び申請・請求書の代理や、税務調査の立会い・税務署の決定に不服のある場合の不服申立て代行します。
税務相談:納税者に対して一番有利な税務申告の方法や税務全般のコンサルティングを行います。
財務書類の作成・記帳代行・会計指導・財務分析:資金会計税理士業務に付随して、財務書類の作成や、会計帳簿の記帳の代行、その他財務に関する会計指導や、財務分析・資金会計などの事務代行します。
また、企業での就職に関しては、税理士試験の部分的な合格のみでも、履歴書に書かれていれば経理部門等への就職時には評価されます。
|
公認会計士 |
公認会計士は会計全般のエキスパートです。
業務の内容には以下のようなことが含まれます。
監査業務:監査業務は、監査法人のメイン業務と言える、公認会計士でなければできない業務です。
企業が作成した損益計算書や貸借対照表等の財務諸表について、会社とは独立した第三者として、公認会計士が、適正かどうかを検証し、意見を述べる業務です。
財務諸表は、債権者や株主がその会社に対して融資や出資を行う(続ける)べきかどうかを決めるために重要な情報源です。 不適切な監査を行った場合、その責任は重大で、世界中で展開していた監査法人が解散に追いやられるほどの責任があります。
会計業務 :公認会計士の行う会計業務は、税務業務以外の経理一般の業務です。具体的には、財務諸表を作成したり、財務や会計に関する指導やアドバイスを行います。
コンサルティング業務:企業の経営に関する立案・指導・助言等を行う経営コンサルタント業務や株式公開コンサルティング業務を行います。
税務業務:税務業務とは、税務書類の作成や税務申告の代理および税務に関する相談等の業務を言います。税務業務は、本来税理士のみの仕事と思われがちですが、公認会計士は、税理士となる資格も有しているため、登録さえすれば、税理士としての税務業務を行えます。
もちろん企業での経理関連部門での登用にも有利です。 |
CPA (米国公認会計士) |
近年の受験方法の変更で、日本国内でも受験できるようになったUSCPAですが、実は試験に合格しても、USCPA管理下での最低経験年数等、(州によって違いますが)資格取得にはある程度の壁があります。
また、資格を取得したからと言って、そのまま日本でこの資格を使って会計士としての業務が行えるかというと、これもむずかしいのが現実です。
では、どういった時に役に立つのかと言うと、近年の企業のグローバル化で、外資系の会社への就職や、海外に展開している会社の経理や財務部門では、英文会計や米国会計基準を理解していることが就職でかなり有利となります。
現に、私が現在の会社に就職できた理由の一つは、このUSCPA取得でした。 また、私が子会社へ出向していた時にも、その海外子会社との連結決算書を作成するためや、孫会社の内部監査を行うためにUSCPAの資格保持者を何名も採用しました。
こういった企業だけでなく、グローバルに活躍する監査法人でも、海外からの出向者の税務申告や、海外に本社を持つ日本法人の本社向けの財務諸表作成やコンサルティング等、活躍する場所は少なくありません。 |
内部監査人
(CIA) |
まだあまり世に知られていない職業ですが、近年の企業での様々な不正の発覚は、社内でのけん制機能が働いていないことが原因となっています。
こういった企業での不正や不祥事を事前に回避するためのけん制機能を「内部統制」と呼び、この「内部統制」が社内でちゃんと機能しているかをチェックするのが、内部監査人の仕事です。
「公認内部監査人」の資格はもともと米国の内部監査協会が設立した資格ですが、現在は世界中で、内部監査協会が設置され、この資格を取得することができます。 日本では日本内部監査協会が運営・管理しています。
近年ではほとんどの中堅以上の会社で「内部監査」のグループや部署を設置していますが、日本の企業ではまだまだ内部統制のプロとしての「内部監査人」よりは社内の定年退職者等、業務経験者を充当することが多いと言えます。
とは言え、日本版SOX法注)対照会社や、監査法人での内部監査人の求人もそこそこあります。
難点は、内部監査という仕事があまりにも専門的なため、他の部署への異動が難しい点が挙げられます。
20代、30代前半よりは、30代後半以上の業務経験の豊富なあなたに向いていると考えます。
*日本版SOX法:日本版SOX法とは相次ぐ会計不祥事やコンプライアンスの欠如などを防止するため、米国のサーベンス・オクスリー法(SOX法)に倣って整備された日本の法規制のこと。上場企業およびその連結子会社に、会計監査制度の充実と企業の内部統制強化を求めている。 |
司法書士 |
司法書士の仕事内容には以下のようなことが含まれます。
不動産登記(土地・建物の登記):土地や建物の物理的な状況・権利関係に変化が生じたときに、その旨を登記簿に記載して社会に公示することで、取引の安全を守る制度です。司法書士は、このうち権利関係の登記について書類の作成や申請代理業務を行います。
会社の登記(商業登記):株式会社などの法人について、設立(誕生)から清算(消滅)にいたるまで一定の事項を法務局で登記することにより、法人の内容を社会一般の人に公示することで、法人を巡る取引の安全を実現する制度です。
企業法務:会社法の専門家として企業に対し、法律の改正への対応、株主や債権者などへの対応、法的な文書の整備、ストックオプションの発行、株式公開の支援、企業再編、取引上のトラブルや事業承継などの問題についてもアドバイスをします。
裁判業務:貸金や家賃・敷金、損害賠償などを請求するなど、裁判所に訴えや申立てをするとき、私達司法書士は、皆さんに代わって書類を作成し、訴訟手続をサポートします。
成年後見:認知症や知的障害者を悪質商法等から守り、安心して暮らしていけるよう、法律面からサポートします。
司法書士は、司法書士や弁護士事務所等での就職や、比較的大きな会社の法務部等への就職が考えられます。
|
行政書士 |
行政書士の仕事内容は、官公署に提出する書類の作成とその代理、相談業務です。役所に提出する書類の作成や代行が主な仕事となります。
主な内容は、
会社設立関連手続き:株式会社・NPO法人等の他・医療法人・社会福祉法人・学校法人などの設立手続の代行をします。
国際業務関連手続き: 帰化許可申請、永住許可申請などの手続きを代行します。
権利業務: 借用書・嘆願書・各種契約書などの作成を代行します。
自動車関連手続き:自動車登録・車庫証明・運送業許認可などの手続きを代行します。
相続・遺言関連手続き: 遺言書・遺産分割協議書の作成、遺言執行の手続きの代行をします。
離婚関連手続き: 養育費・慰謝料・財産分与などの書類作成、離婚に関する手続き代行します。
行政書士の受験生は近年増えているようです。特に大学生の受験生が増えているようですが、就職にあたっては一部の建設関係や不動産会社以外でほとんど求人はないようです。
また、行政書士事務所や法人の就職口もほとんどないようで、個人事務所を構えて業務を行うことが多いようです。 |
弁護士 |
弁護士は、弁護士法第1条にあるように、基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命としています。
弁護士によって専門や得意分野がありますが民事、刑事の法律の相談を受ける事ができます。又、民事、刑事共に訴訟や交渉の代理人(依頼者の代わり)として活動できます。
内容としては、法律相談業務、内容証明郵便などの作成、示談交渉、契約書などの作成、会社に関する諸手続、遺言書の作成等、債務整理、調停の申立、訴訟の提起、刑事事件の弁護人など多岐にわたります。
弁護士事務所での就職の他に、大企業の法務部、企業内弁護士、知的財産関連機関での就職が可能です。 |
社会保険労務士 (社労士) |
社労士の業務には、以下のようなことが含まれます。
・公共職業安定所などの行政機関に提出する書類の作成や事務手続き
労務士事務所に就職する他、勤務社会保険労務士として、大企業の総務部や人事部で就業する人も多いようです。
私が今の会社の子会社に出向していた頃、人事マネージャーの雇用時に、マネージャー経験者の男性ではなく、この資格を持っていたという理由で女性マネージャーを雇用したことがありました。
女性のキャリアアップには良い職業だと思われます。 |
中小企業診断士 |
中小企業診断士の仕事は、中小企業の抱える問題や課題を解決するためにサポートをすることです。
業務にはしたのようなことが含まれます。
・経営管理:経営計画、後継者育成、業務改善、経営革新
中小企業の抱える問題は、多岐に渡り、すべてをカバーすることは難しいため、専門を決めて経営コンサルタント会社に就職する多いようです。
また、中小企業診断士の勉強は企業経営理論、財務・会計、企業政策など多岐に及んでおり、この資格を持っていることで、企業の財務・経理部門や事業開発・子会社管理部門等での雇用のチャンスは高まるようです。 |